ハラスメント行為者の現場復帰支援
再学習の機会を
私たち協会には3つの心がまえのひとつに、「誰もが被害者にも加害者にもなりうる」を挙げています。
「加害者」はかつての「被害者」だったかもしれません。
「被害者」が「加害者」になってしまうこともあります。
人が「良い」「悪い」を判断するのではなく、ハラスメントの「行為」と「構造」にアプローチし、不適切な行為をした人が自分のしたことを認識し、現在の社会の中で何がいけないことであったのかを理解し、学びを通して知識をアップデートし、スポーツ界で再び活躍できる機会をお手伝いをします。
またハラスメントの発生要因として組織構造上の課題が認められた場合には、組織に対しても学習の機会を提供し、組織風土の改善を図ります。
プログラム概要
1. 個人向けプログラムの概要
個人向けプログラムは、ハラスメント行為者本人が、自身の行動を深く認識し、現場復帰のための意識変容を促すことを目指します。
まずはサポートセッション(ヒアリング)を行い、ハラスメント行為の事実認定について本人が思うことを聞き取り、現状を確認して、必要なサポート内容とタイムラインを決定します。
続いて、プログラム全体と現場復帰までのロードマップについて説明を行い、本人の同意を得るオリエンテーションとインフォームドコンセントを実施。その上で、本格的な知識の学習に進みます。
学習の核心は「人権」と「尊厳」についての理解を深めることであり、ハラスメントの法律や全体像の把握、ケーススタディを通じて、根本的な理解を目指します。
知識の定着を確認するため、学習プログラムの終了後には理解度テストが実施され、所定の基準を満たすことが次のステップへの条件となります。
最終段階では、サポートセッション(確認)を通じて、ハラスメント理解のアップデートと、再び現場に立つための意識変容が確認されます。
すべてのプログラムを終えた後、これまでの取り組み姿勢や学習内容が所属先へ報告され、現場復帰の判断材料となります。
2.組織向けプログラムの概要
ハラスメント行為が発生した背景に組織構造上の課題が認められる場合、組織全体に対して学習の機会が提供され、組織風土の改善が図られます。
このプログラムもまた、当該行為者の所属先関係者へのサポートセッション(ヒアリング)による情報収集から始まります。
ヒアリングの結果、組織上の課題が確認された場合、協会から研修プログラムが提案されます。研修プログラムの策定にあたっては、事前に実態調査としてアンケート調査を実施し、組織コンディションや関係者の意識を詳細に把握します。
実態調査の結果を基に策定された研修プログラムでは、「人権」や「ハラスメント」(法律、全体像)の基本的理解、そしてケーススタディなどを通じた学習が行われます。
研修終了後には振り返りが実施され、その過程で検定受検が推奨されることもあります。なお、研修プログラムの内容は、サポートセッション後に組織と協議の上で決定されます。
すべてのプログラムが完了し、所属先の判断によって行為者がスポーツ現場に戻った後も、要望に応じて継続的なカウンセリングやサポートセッションが提供されます。
現場復帰にご不安がある方、現場復帰を支援したい組織の方は、まずは、スポーツハラスメントZERO協会(info@supoharazero.org) へご相談ください。